2014年1月3日 星期五

ファンキーな神々・台湾民間信仰(二)史上最初にして最強のアンドロイド--中壇元帥


中壇元帥(三太子)
特徴
汎用性天界人間稚児型兵器
属性
武将
主要機能
願い事全般
階級
★★★☆☆
MP(法力)
★★★★☆
ポピュラー度
★★★★★


 三太子先生を紹介しないと、台湾の神様は語れません。多くの神様の中でも、三太子ほどトリックスターでヤンチャな人はいません。
台湾では、よく「太子爺」(爺は日本語の「公」のような尊称で、おじいさんの意味じゃありません)と呼ばれているこの方は、実は凄い人です。何せ神でありながら人造人間です。
 中国のハチャケた小説「封神演義」の中にも登場し、李靖という武将の三男として生まれました。大変な恥ずかしがりやで、妊娠された時はお母さんの中に三年六ヶ月もいました(病院行けや!)。そして出た時はでかい肉団子のかたちをしていました。太子のお父さんは「妖怪なり」と大見得を切って剣ででかい肉団子を一刀両断したら、三太子がめでたく誕生されて、哪吒(なた)と命名されました。その誕生までのイキサツを見て、相当なツンテレだと思われますね。
 とにかく、太子様は非常に強い。そして大変なDQNでもあります。太乙真人という仙人の下で修練して、周りに喧嘩を売りまくりました。ある日東海の龍王の三人の息子に喧嘩売られて、魚介類連合軍を返り討ちにしただけでなく、龍王の息子の一人をぶっ殺してその背筋をベルトにしてしまいました。怒り狂った龍王は洪水を起こして李靖先生の領地を襲ったので、太子様は自殺して詫びを入れました。死ぬとき、太子様は自分の肉を削ってママに返して骨をちぎってパパに返したというすごいプレイを見せました。たぶん、それで「生んでくれてありがとう。はい、これでチャラだっぺ」という感謝の念が含まれたと台湾の人々が説明してくれました。


 もともと骨のあるDQNである太子様の魂は、死後でも簡単に散ったりしませんでした。そこで師匠である太乙真人先生がレンコンと蓮の葉で身体を作り、太子様の魂をそこに宿らせました。そこで、史上最初にして最強のアンドロイドの誕生です。
 だって、死にようがないですね。
 ちょうど、その時天下を治めた殷の王様は大変なクソ野郎で、その部下であった周の文王、武王親子がそれに反旗を翻しました。その天下分け目の大戦に太子様は正義の味方として参戦して、数々の戦功を立てて一族がもろもろ神になりました。その強さとヤンチャぶりから、神々の兵隊をリードする切込隊長として崇められるようになりました。言い伝えでは、天の兵隊には東、西、南、北、中の五つの営団(五営)があって、太子様は一番重要な中営にいてその兵隊たちを指揮しているため、「中壇元帥」という尊称で呼ばれることも多いのです。
 台湾では、篤く信仰される神様はいっぱいいますが、三太子先生は特にその性格と役割(直接に兵隊を指揮して人々を守ってくれるから)で、人々にとって愛着の強い神様です。そして元々子供でDQNなので、行事とか出し物にお出での時は原付に乗ったりテクノダンスを踊ったりして何でもアリです。その愛くるしいイメージから、のちに電音三太子って台湾私設文化遺産とでも言うべきものが考え出されました。これについてはまた後に説明しますね。

☆三太子先生に会いたいならここに!
新営太子宮
住所:臺南市新營區太北里45-2號

1663年創立という由緒正しい太子様の廟です。ここに来れば太子様に拝めるだけではなく、廟側も文化財に熱心なので、おねだり(笑)すれば例の電音三太子も見られます。魔法の言葉は「日本人です」(本当に効くから!)。建物の上に仁王立ちしている全身キラキラの巨大三太子先生の姿で心を癒されましょう!


顯示詳細地圖
行き方:台湾新幹線の台南駅から降り、タクシーの運転手さんに「新営太子宮(シンイヤタイズギオン)へGO!」と伝えたらすぐ行けます。


因みにタクシー代は500元(日本円1500円前後)で、あまりないと思いますがぼったくられないように